マルク・シャガール展①
~愛のリトグラフを集めて~
「マルク・シャガール展」
【好評開催中】 11/18(金)~27日(日)まで
現在ギャラリーで開催中の「マルク・シャガール展」。今回はシャガールが生前制作したオリジナルリトグラフ作品を中心に16点を展示しております。
〈愛を描いた画家〉
20世紀最大の巨匠のひとりと言われるシャガールは1897年、ロシアのヴィテブスクという街(現在のベラルーシ内)で、鰊倉庫で働く父親と小さな食料品店を営んでいた母親の間に9人兄弟の長男として生まれました。敬虔なユダヤ教徒の家庭で、シャガール自身も生涯ユダヤ教の文化を愛した人でした。
首都サンクトペテルブルクで美術を学び、その後1911年に芸術の都パリに赴きます。第一次世界大戦やロシア革命などを経て、シャガールはロシア的モチーフを描く画家として彼の新しい祖国でも名声を得ていきます。
そんな中、シャガールは1人の女性と結婚します。名前はベラ・ローゼンフェルト。同じヴィテブスクの街に生まれた彼女は、シャガールにとって永遠の恋人であり続けた女性です。シャガールの作品で、よく見る街の上を女性と抱き合って飛んでいる作品や、シャガールの誕生日に花束を持って現れた女性を描いた作品などはこのベラとの愛を描いた作品と言われています。
シャガールはベラが亡くなった後も生涯愛し続け、たびたび作品の中に登場させます。このことから、彼は「愛を描いた画家」とも言われるのです。
〈掲載作品〉 マルク・シャガール「天使たちの湾」(1960年 Mレゾネ№286)