みよこみよこ作品展「すごもりむしとをひらく」
現在ギャラリーでは延岡市在住のイラストレーター・みよこみよこさんの作品展を開催中です。延岡市内の様々なイベントポスターや書籍のイラストなどで大人気のみよこみよこさんの2年ぶりの作品展ということもあて、連日たくさんのお客様にご来場いただいております。
今回の作品展のタイトルは「すごもりむしとをひらく」。あまり聞き馴染みのない方も多いと思いますが、これは日本に昔からある二十四節気七十二候の中のひとつで、ちょうど3月始め頃の季節を表す言葉です。作品展のタイトルがこのように決まった経緯を会場に掲示していますが、こちらでもご覧いただければと思います。
「蟄虫啓戸」 =すごもりむしとをひらく= ~タイトルに寄せて~
七十二候のひとつで、地中で冬ごもりをしていた生き物たちが春の陽気を感じ、姿を見せ始める頃・・・という意味です。毎年3月5日~9日あたりの季節のことを言います。「蟄」は生きているものが土中に隠れているという意味で、「啓」は閉じているものを開くという意味(啓蒙思想など)があります。前回2021年6月に開催したみよこみよこさんの作品展は「こころのたね」というタイトルでした。おかげさまで多くの方にご来場いただき、作品を通して皆さんの心にたくさんの種を蒔くことができたのではないかと思います。そして今回の作品展のタイトルをどうするか、みよこみよこさんと打ち合わせを重ねた結果、前回種を蒔いたなら、今はその種が芽吹く時期なのではないだろうかと思いました。そして今回のメインでDMハガキにも掲載した作品。これは「みよこよみ2023」の3月と9月を合わせた絵で、「生命のつながりと循環」を表現した作品です。
そうしたことが重なって今回の作品展は「命の芽吹き」をテーマにしたいと考えました。そのまま「いのちのめぶき」でもよかったのですが、なにかそれをうまく表した言葉がないかとみよこみよこさんと一緒に考えていたところ、作品展の開催時期がちょうど七十二候の「蟄虫啓戸」の時期に重なっていることに気付きました。虫たちが地中から出てきて活動を始める季節。今回のメインの作品にもぴったりで、その言葉を見た時、すべてがひとつに繋がったような気がしました。命が芽吹き、地中から戸を開き外に出てきて生き物たちが活動を始める。自然と今回の作品展とそのメインの作品のタイトルもこの名前に決定しました。そして今、新型コロナウイルスの影響で多くの人が閉じこもった生活をしています。まだまだ感染は終息したとは言えませんが、この数年間私たちはウイルスとの付き合い方を学んできました。恐れず外に飛び出し、羽を広げて活動を始めよう・・。そんな想いも込めて、今回「すごもりむし とをひらく」というタイトルにしました。3月・・虫たちも地中から出てきて活動を始める季節です。皆様の生活が輝きにあふれますように・・。