平山郁夫版画展 ~遙かなるシルクロード~

2024年7月19日(金)~28日(日)までの10日間、「平山郁夫版画展~遙かなるシルクロード~」を開催いたしました。

今回はギャラリーかわなか開廊30周年記念の一環として、文化勲章受章者であり、日本画壇の最高峰とも言われる故・平山郁夫の版画作品を展示いたしました。没後15年が経った今でも全国各地で展覧会が開催され、その人気は衰えるところがありません。今回の企画展でも多くの平山郁夫ファンに来場いただきました。

平山郁夫といえばラクダのキャラバンの作品が大変印象的で、特に月明かりの中を進むキャラバンの絵は平山ブルーとも言われる透明感のある美しい藍色で表現されています。美しい星空と月明かりの下進んでいくキャラバンの姿はまるで祈りにも似た静謐さがあり、まさにその世界に吸い込まれてしまいそうな不思議な感覚を覚えます。

また、作品だけでなく日本画家であり、文化遺産保護の活動家でもあった平山郁夫の壮絶な人生にも皆さん感銘を受けていました。学生時代に広島で被爆した体験を持つ平山郁夫は生涯一環して世界平和をテーマに制作を続けていました。砂漠のキャラバンは長い旅路の中で東西の交易だけなく文化を世界中に運んでいきました。東西の文化交流、すなわちそれは世界をひとつにする役目を果たしのだという信念のもと、多くのキャラバンの姿を描きました。あるときは天山山脈の麓を、また楼蘭の遺跡を、そしてローマ帝国に滅ぼされたパルミラの遺跡を進むキャラバン。まさに生涯をかけて世界平和を訴え続けたのです。

今回、本当に多くの方にご来場いただきました。ギャラリーかわなかは本年12月で30周年を迎えますが、これからも40周年、50周年と迎えられるよう努力してまいりたいと思います。今後とも変わらずご愛顧願えれば幸いです。