マルク・シャガール展⑤

~愛のリトグラフを集めて~
「マルク・シャガール展」

〈カタログレゾネ〉

シャガールはその生涯の中で2,000点もの版画を制作していると言われています。それらは主にパリにあったリトグラフ工房で刷り師と画家とのコラボレーションという形で制作されています。そう考えると日本の浮世絵とシステムとしては同じなんですね。(実際にはリトグラフだけでなく、銅版画や木版画も制作しています)それらのリトグラフにはシャガールに限らず全ての作品が掲載された「カタログレゾネ」というものが存在します。それには図版はもちろん、制作年、技法、用紙のサイズ、種類など細かなデータが掲載されていて、画家の版画作品を収集する上で大変貴重な資料となります。

様々な出版社から発行されていますが、当ギャラリーで所有しているシャガールのレゾネは1960年から80年代にかけてアンドレ・ソーレで刊行されたリトグラフ集を、「出版21世紀」社が日本語訳して発行したものです(1978年・全5巻)。こちらはご来店いただいた皆様に自由にご覧いただけますので、是非こちらも手に取っていただければと思います(非売品)。ちなみに、「レゾネ(raisonné)とはフランス語で、英語に直すと「reason」という言葉になるようですね。大変奥深いシャガールのリトグラフの世界、是非皆様にも体験していただければ幸いです。

〈掲載作品〉「天国の天使」(1956年 Mレゾネ121)