福元弘信 白薩摩 作陶展

現在ギャラリーで開催中の「福元弘信 白薩摩 作陶展」。会期もいよいよ明日までとなりました。おかげさまで今回もたくさんの方にご来店いただき、これほどの作品を見るのは初めて!という方がほとんどです。400年以上続く沈壽官窯で長年修行された福元さんの制作する白薩摩。その絢爛な美しさを余すところなくご覧いただけます。

薩摩焼きの歴史は戦国時代の1529~1598年(享禄2年~慶長3年)に行われた文禄・慶長の役から始まります。これは別名「焼き物戦争」とも呼ばれ、薩摩藩藩主の島津義弘が朝鮮人の陶工を連れ帰ったことで薩摩焼が誕生しました。1867年、には薩摩藩が単独でパリ万博へ薩摩焼を出品し、ヨーロッパのの人々に驚きを与え、一躍「SATSUMA」の名前が世界に広がりました。2007年にはフランス国立陶磁器美術館に於いて薩摩焼パリ伝統美展が開催され大変な好評を博しました。白薩摩は白もんと呼ばれ、当時は献上品として制作されていました。淡い黄色い焼き物に透明の釉薬(ゆうやく)を使い、表面にひびをあしらい、その上から装飾したもので、主に装飾品や置物等です。黒薩摩は黒もんと呼ばれ鉄分の多い陶土を利用しており、釉薬も色味のついたものを利用しています。黒もんは庶民の日常食器として制作され、特に焼酎を飲むときによく使われる器等です。

当時から続く薩摩焼の名窯が日置市にある沈壽官窯。福元さんはそこで1992年から16年間にわたって制作を担当。特にろくろや透かし彫りの制作で活躍し、その中心的な存在として名声を博します。その後2008年に独立し、仁王山窯を設立。伝統的な「白薩摩」や「黒薩摩」を継承する一方で、革新的で新たな薩摩焼の創作にも挑戦しており、その新たな魅力を発信し続けています。

今回の展示では、福元さんの制作した壺、香炉、飾り皿などを展示するとともに、湯吞やコーヒーカップなど普段使いの器も販売しております。是非この機会に「白薩摩」の真髄をご覧いただければ幸いです。